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土木における水道工事とは?(水道施設)

土木全般
ドボクル
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水道の工事はどんなのをイメージしてるかな?

 

うちの中の水が出る蛇口、実は道路の下にある水道管から繋がってきています。今回は道路における水道管工事の流れを説明するよ!

 

水道工事の種類

 

水道工事は公道と民地にわかれます。

 

公道・・・車道、歩道

民地・・・私道、一般の敷地(地主が所有する土地)など

 

公道の水道管は地方公共団体の管理財産となります。東京であれば東京都水道局、地方であれば市区町村の管理になります。

 

ここでいう水道工事は「公道」における水道工事をいいます。

 

民地の水道は水道メーターから先のものをいいます。民地の工事で一番わかりやすいのは、一軒家を立てる時に設置されるメーターの先から建物内部までの水道管の工事です。マンションやビルなども同様です。

 

このように公道と民地で水道管工事が公と民に区別されます。

 

日本の水道の普及率は約98%であることから、水道工事の目的は老朽化した管を取り換えることにあります。

 

 

また、近年は耐震性能の高い水道管に取り替えています。現在は耐用年数が100年といわれる「GX形」の水道管になっており、「GX形」の前に使われていた「NS形」は東日本大震災の破壊された地盤でも外れることが無かったという驚異的な耐震性となっています。

 

災害で大切になるのは「水」なので、耐震化は重要だと強く思います。

 

以下より流れを紹介しますが、基本的な舗装の撤去、掘削、埋戻し、舗設などは他でご紹介しています。

 

水道施設の定義

水道施設は文字通り、上下水道の施設とのイメージが強いですが、ここで説明しているような工事も 配水施設「配水管(公道下)」として、水道施設に入ります。

 

試験掘工(しけんぼりこう、試掘(しくつ))

 

道路を掘る場合に他企業管(NTT、東京電力、東京ガス、下水道)と隣接している場合があるので、試験的に掘って水道管との離隔(りかく)を調査します。

 

離隔(りかく)とは?

読んで字のごとく、対象物から離れている間隔(距離)です。ここでは水道管と他企業管の距離をいいます。

 

試掘という、しょっぱなの「調査」でありながら、ユンボでひっかける、ガス管を探針棒(たんしんぼう)で穴をあけるなど、大惨事を引き起こすことがあります💧(経験者です)

 

ガス管を破損したら?

ガス緊急に連絡をするのはもちろんですが、濡れたタオルで穴をふさぎガスが漏れないようにします。

 

探針棒(たんしんぼう)とは?

棒で土の中を突いて何かないか調べる棒をいいます。種類があります。

ステンレス 探針棒

 

試掘(しくつ)前には他企業と協議をして位置や深さの図面などをもらい、備えます。また、他企業に立ち合いを申請します。立ち合いは専門家が来るので何かあった場合などに教示してもらえます。

 

仮配水管工(かりはいすいかんこう)

 

道路下にある太めの水道管から分岐して給水管という細めの管が各家庭につながっています。道路下にある水道管をいきなり取り替えるわけにはいかないので、φ80ミリの仮の配水管を隣接する浅い位置に設置して、各家庭につながっている給水管を仮配水管に付け替えます。

 

意外にも、この時に給水管自体をひっかけてしまい大噴水になってしまう場合があります。水道管の水というのはポンプ所から、ものすごい圧力をかけて送られてきているので、大惨事になる場合があります。

 

昔はスパンを区切って、スパンに隣接するエリアの住居全体を断水にして工事をしていたようです。ちなみに最近は仮配水管方式の費用が高額との事で昔の方式に戻すような動きがありました。

 

 

管布設替工(かんふせつがえこう)

 

仮配水管で各家庭に水を供給した後に、実際に取り替える道路下の水道管の水を止めます。

 

まず古い管を撤去していきます。よくあるのが古い管と同じ位置に新しい管を布設していく場合が多いです。それを「布設替(ふせつがえ)」といいます。

 

違う場所に布設する場合は新設となり、隣の位置に撤去管があれば異路線といいます。

 

布設(ふせつ)と同じ意味の言葉

布設(ふせつ)と同義で、敷設(ふせつ)、埋設(まいせつ)、設置(せっち)と言う場合があり、私も最初は訳がわからない時がありました。

 

φ100(ミリ)で約100kgの重量があり、私が働いているような中小企業はφ75からφ350の配水小管と呼ばれる水道管の工事がほとんどだと思います。

 

 

配水小管を「本管」と呼ぶ場合もありますが、本来の配水本管はφ400以上のもをいいφ1000(1m)まであります。

 

配水小管を「配水支管」と呼ぶ場合があるようです。

 

ちなみに配水本管の施工は何十億となる場合があるので、資金調達ができる大手が担うこととなります。

 

給水管付替工(きゅうすいかんつけかえこう)

 

道路の水道管の布設替えや新設が完了したら「充水(じゅうすい)」を行います。空の新しい水道管に水を入れていくわけですが、中の空気が圧縮されて白く濁ります。

 

道路にある消火栓などで白い濁りがなくなるまで水を吐きます。これを「泥吐き(どろはき)」といいます。

 

白い水が出てくると不安になるお客様が多いようです。空気が混ざっているだけで特に問題はありませんが、不安なお客様にポリタンクに入れた綺麗な水を用意する場合があります。

 

泥吐きが完了したら、仮配水管に付いてる各家庭の給水管を、新しい水道管に付け替えます。

 

この時も空の給水管に水を充水するので敷地内の散水栓などから泥吐きをします。これをしないとババッと家庭の蛇口から「エア(空気)」が水とともに噴き出すことになります。また、トイレも同様になり、故障する場合があります。

 

ちなみに給水管はφ20からφ50のステンレス管を使います。曲がりやすいジャバラ状で地震に強い作りになっています。

 

給水管の大きさは一戸建て、集合住宅、ビルなど水量によって違います。

 

道路を綺麗にする

 

水道工事をした道路は布掘りといって、幅1mくらいで何十メートルとか数百メートル掘ってあるので、車道であれば道路の中央車線から工事をした側を新しく舗装をし直す工事をします。

 

中央車線から半分を「半幅(はんぷく)」といいますが、道路によっては全幅(ぜんぷく、全部)を舗装し直す場合や半幅以下の場合もあります。

 

歩道に水道管を布設したのであれば、歩道の幅で綺麗にし直す工事をします。歩道はアスファルト、インターロッキングブロック、御影石、車が乗り入れる部分はコンクリ―トなど、結構多彩な内容です。

 

道路に付随したガードレール、排水溝(街きょ、L形)、植栽、道路照明など、撤去が必要であれば撤去して復旧する場合も多々あります。

 

信号や標識などは警察の絡みが出てくるので、少しややこしいかもしれません。

 

まとめ

  

命につながるライフラインを整備する仕事は立派な仕事であるといえます。

 

水道管は地中にあるため完成後は見える仕事ではありませんが、地震が発生した時、大いに感謝されると思います。

 

土木の中でも特殊性がある工種だと思います。

 

水道の仕事ができれば業界でも優位に立てる可能性が高いと考えます。

 

この記事がお役立てれば幸いです。ではまたっ!

 

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