特に私のような中小総合建設業のワンオペ現場監督は日々の現場管理や書類・報告に追われ、段取りを組む時間の確保が大変かと思います。
総合建設業は現場毎にメインとなる工種が変わり、舗装工についても数年ぶり、数現場ぶりとなったりして結構忘れてる事が多いと思います。
私自身がそうなので、私のような現場監督や新人監督のお役に立てるように舗装工の段取りをお伝えしたいと思います。
これは自社職人で施工する場合の内容なので外注する場合の注意点を後述致します。
また、これらの舗装は都市部の住宅街や幹線道路を想定しています。


【打ち換え】舗装の場合
求積による数量の算出がキモ
私は東京都の土木案件(公共工事)の仕事をしています。
役所仕事を想定していますので、基本的には役所から受領した求積図や数量計算書を元に撤去したアスファルトガラや舗装する合材の数量を算出していきます。
その数量を元に、1日の施工できる数量から施工範囲(区割り)を設定していきます。
1日に施工できる数量については、施工班の人数、自社発注のダンプの往復時間(またはプラントからのダンプ配車)、ガラ・合材の数量などを勘案して決めます。わからなければ先輩や上司に相談しましょう。
求積図はCADデータがあればなお良いのですが、無い場合もあります。その場合は設計図のCADデータを利用し要所を確認していきます。
民間工事など求積図や数量計算書が無い、または当てにならない場合は実測していく事になります。
プラントからダンプを用意してもらう場合は以下のような数量とスケジュールを送り、プラント配車係と日々調整していきます。
※基層開放を想定
| 【舗装厚25㎝の打ち替え】合材数量・ダンプ台数・ガラ数量 | ||||||||
| 工 区 | 日 時 | 昼/夜 | ガラ(t) | ダンプ台数 (10tD /9t積) | 基層 再生粗粒度(t) | ダンプ台数 (10tD/ 9t積) | 表層 再生密粒度(t) | ダンプ台数 (10tD/ 9t積) |
| ① | 12/1(月) | 昼 | 75.5 | 8.3 | 60.5 | 6.7 | ||
| ② | 12/2(火) | 昼 | 75.5 | 8.3 | 60.5 | 6.7 | ||
| ①+② | 12/3(水) | 昼 | 無し | 35.0 | 3.8 | |||
※ダンプは10t(9t積み)、プラントから調達(ガラ代引き、合材配達)
※合材9t積で総数量が微妙な場合はもう1台用意して2~3tの余裕を持たせる
※基層手引きの場合は舗装が下がり表層時に合材を多く使う場合があるので、大型1台分くらいは多めにした方が良い場合がある
※逆に基層をフィニッシャーで仕上げる場合は表層で大きく数量が狂う事は無いが、フィニッシャーが通れるように人孔などの出っ張りをすり付け処理する必要がある
※舗装厚が25㎝あるので0.45タイヤユンボのニブラで舗装を粉砕していく内容
※粉砕した端から0.2BHで大型に積み込んでいく、ニブラの粉砕が終了したら0.45で積んでもらった方が早い
※ニブラを使用せずに0.2BHなどでガラ積みをしていく場合は舗装を細かく切断しておく必要があるが、舗装切断に時間がかかるのと、ガラの積み込みに時間がかかる事が想定されるので、1日の施工量が減る事になる。その場合は基層の日数を増やすなどを検討する
| スケジュール/工区 | ① | ② | ①+② | 備考 |
| 8:30 | 重機回送 | |||
| 9:00 | 規制 | |||
| 9:15 | 0.45タイヤユンボ着 | |||
| 10:00 | ガラ1 | ガラ1 | ~すり付け撤去 | |
| 10:20 | ガラ2 | ガラ2 | ||
| 10:40 | ガラ3 | ガラ3 | デスビ | |
| 11:00 | ガラ4 | ガラ4 | 合材1 | |
| 11:20 | ガラ5 | ガラ5 | 合材2 | |
| 11:40 | ガラ6 | ガラ6 | 合材3 | |
| 12:00 | ガラ7 | ガラ7 | 合材4 | |
| 12:20 | ガラ8 | ガラ8 | ||
| 12:40 | ガラ9 | ガラ9 | 仮白線 | |
| 13:00 | 開 放 | |||
| 13:20 | デスビ | デスビ | ||
| 13:40 | 合材1 | 合材1 | ||
| 14:00 | 合材2 | 合材2 | ||
| 14:20 | 合材3 | 合材3 | ||
| 14:40 | 合材4 | 合材4 | ||
| 15:00 | 合材5 | 合材5 | ||
| 15:20 | 合材6 | 合材6 | ||
| 15:40 | 合材7 | 合材7 | ||
| 16:00 | ||||
| 16:20 | すり付け | すり付け | すり付け用ダンプ 砂・細粒度 | |
| 16:40 | 仮白線 | 仮白線 | 基層はペンキ可 | |
| 17:00 | ||||
| 17:20 | 開 放 | 開 放 |
※舗装幅3m~4m程度を想定しており、施工延長は25~30m。都心部の住宅街である為、4tコンバインドローラーで合材を仕上げる事を想定している。
※施工延長が50m以上あるような場合の表層は8tマカダム、タイヤローラーを使用する。
※これらの重機設定は施工環境による。
※基層開放を想定している。段差のすり付け幅は0.5~1.0m。その分の砂と細粒度を用意する。
※基層開放ができない場合もあるので、その場合は基層・表層のガラ、合材数量で検討する。
※基層の仮白線はペンキで対応している。
※表層の仮白線はクイックラインなどの15㎝幅を使用し、中央線や外側線、文字などの15㎝、停止線30㎝、横断歩道45㎝を復元する。5㎝を使って簡略化する場合もあるが役所に事前確認した方が良いかも。
【切削(せっさく)オーバーレイ】の場合

切削オーバーレイとは切削機械によって路面を削り、即日舗装仕上げ(オーバーレイ)をする工法です。
何センチ削るかは計画によります。路面補修の位置づけとなるので5~10cmが多いように思います。
切削機械が2m級の場合、事前に2m幅、10mピッチ程度で測量を行い、設計勾配に沿った高さ出しをする事になります(縦横断の高さ計画)。
路面の測点に数値(削る深さ)を書き、それにそって切削機械が路面を切削をしていく事になります。
切削範囲が狭い場合は幅1m級などを使う事となる為、道路の幅、延長から想定される切削機械を選定する必要があり、それによって計画高の測点が変わることとなります。
また、1・2m級が削りきれないところは0.35級が削る、またはハツルようになります。その為、道路形状も勘案する事となります。
他、いくつか要点があります
・路面上にある鉄蓋が切削の障害となる為、事前に撤去(エポ工法など)しておく事が多い(後日、区画線工のまえに復旧)。
・スタートとエンドは舗装カッターで切断しておく(既設舗装との継目を綺麗に仕上げるため)
とはいえ、0.35級で削ることもある(舗装継目は少々雑)
・縦断継目は高さ5㎝ごと、幅15㎝で重ねる
・横断継目は表層5㎝分、幅1m以上重ねる
・2m級の高さ10㎝の切削時間は10tダンプ1台が10分程度
・縦継目ピッタリに切削はできない(既設がわずかに残る可能性がある)ので、翌日隣の車線を切削する場合には5~10㎝余計に前日舗設した部分を切削する事となります。その分のガラや合材を計算しておく。
・排水性舗装(ポーラスなど)の場合、街きょ際に導水パイプがある為、切削ができない。よってユンボ等で撤去する事となる。
・大型切削機械は左側を切削する事を想定しているので、切削方向の右側に街きょがあれば、際の既設舗装が残るため別途0.35級で切削する事となる。
・路面に残った切削ガラについては路面清掃車が入ると思うが収集能力に限界があるので、ある程度まではユンボまたはブルドーザーで集積し、ダンプに積み込む。
・清掃後はディストリビューターによる乳剤散布(または手撒き)を行う(設計にあれば)。
基層、表層の連続施工であれば乳剤を散布しなくて良い場合があるが、舗装構造をよく確認する。
・路面切削は打ち換えと違い、範囲(面積)が広くなるので、規制や重機の置場所など、いろいろと勘案する事が増える。
etc
歩道舗装
想定する1日の面積としては100~200m2程度です。
施工量が少なく、プラント配達のダンプより3tダンプを用意した方が安価だったのでこのような内容になっています。
プラントのダンプか常用かは単価を見て検討してみましょう。
以下のように段取りをしました。
※都心部の住宅街の歩道で手引き施工です。
| 【歩道】 | |||||
| 面積 | 舗装厚 | ガラ/合材 | ダンプ | 台数 | プラントまで |
| 100m2 | 4㎝ | 10t | 3t | 5台 | 往復2時間 |
| タイムスケジュール | |||||
| 9:00 | 規制 | ||||
| 9:20 | ガラ1 | ||||
| 9:50 | ガラ2 | ||||
| 10:20 | ガラ3 | ||||
| 10:50 | ガラ4 | ||||
| 11:20 | 路盤1 | 仮復旧の舗装厚による | |||
| ~ | |||||
| 13:00 | 合材1 | ||||
| 13:30 | 合材2 | ||||
| 14:00 | 合材3 | ||||
| 14:30 | 合材4 | ||||
| ~ | |||||
| 15:30 | 開 放 | ||||
歩道部は車乗り入れがあり、その部分の舗装材料が違う場合があるので、その場合はダンプの台数を増やすなどして対応する。
一般部と乗り入れ部のアスファルト材料が違う場合は舗装定規を使用して境目にLピンで固定して、それぞれ種類毎に施工する。
乗り入れ部がコンクリートの場合は先に施工を行い、養生期間を経て一般部のアスファルト施工となる。
職人の人数や能力を考えて1日の施工数量を決定する
各ポジションの人数はこんな感じかと思います。
フィニッシャーを使う場合、レイキマンとスコップマンは両サイドにつくので2人になります。
| レイキマン | 1~2 |
| スコップマン | 1~2 |
| ランマ・プレート・タンパ | 1~2 |
| ユンボ | 1 |
| サイドローラー | 1 |
| 4tコンバイン | 1 |
| 8tマカダム・7tタンデム | 1 |
| 8tタイヤローラー | 1 |
基本的には8名程度は必要となります。フィニッシャーを使う場合は6名程度でもいけるかも。
歩道部は車道部ほど負担が少ない事が予想されるので、兼任でも良いと考えます。
先に上げた100m2程度の歩道部舗装はあまり問題が無いと思いますが、レイキマンにしても、オペにしても熟練でない場合は時間がかかる事が想定されます。
200m2程度の歩道舗装や100m2以上で25㎝厚の車道舗装は結構タイトなスケジュールになるので、施工状況を見て日々の施工量を変更する場合があります。
メモ:7tタンデムは振動があるので好む人もいるが、縦継目の段差解消には8tマカダムが有効な場合がある。
重機の選定
100m2以上、舗装厚が25㎝以上の場合、個人的には0.45タイヤユンボのニブラによる施工が多いです。
舗装を細かく切断して0.2BHないし0.25BHでの積み込みは時間がかかると予想します。ニブラの費用などを考えればこちらの方が安価かもしれませんが、施工日数を見て判断しましょう。
東京都区部の住宅街などは道路幅員が狭い事が多いので8tクラスの重機使用は限定されます。
2.5t~4tコンバインの使用が多いです。
ただし、施工延長が50m以上の表層は大型の重機使用が望まれます。
実際施工してみて日々の調整を図る
施工数量は事前に何回か確認・見直しをした方が良いです。エリアが細かく分かれてる場合は特にです。
また、これまで求積図を元に数量を算出して大幅に違う事はありませんでしたが、求積図メインで数量を出している場合は初日から数日間の施工量に計算と大きな差がないか注意する事が大切です。
真っすぐな道路であれば、そんなに悩まないで済みますが、異形の場合や住宅街の施工しにくいところなどは、施工状況を見て翌日以降の配車時間の細かい調整をする事が大切です。
外注する場合の注意点
前の会社の時、舗装は外注でしたので、下請けの監督に全て任せていました。
ワンオペ監督の場合は忙しいので、なかなかチェックするのも大変だとは思いますが、できれば求積図や数量計算書を元に下請けが出してきた数量や日数を確認する事をおすすめします。
大きい相違があっては、こちらが損をする場合があるからです。
おわりに
久しぶりに大掛かりな舗装の施工を行うと忘れている事も多々ありますし、感覚が鈍っています。
そのような場合の一助となれば幸いです。
慣れていないと施工イメージが出来ないので、段取りすら難しいかもしれませんが、概ねこんな感じなので、思い切ってやっちゃって下さい♪



