現場監督って大変ですよね。
私は東京都の公共系の都市土木を担当しています。
キツイ部分を語る前に、希望が持てるように給与的な話しをします。
私は2012年に監督見習いで土木系建設会社に入社しました(建設業は過去に建築系で8年経験あり)。
| 年 | 現場 | 月収(万) | 年収(万) | 資格・備考 |
| 2012 | 水道補助 | 30 | 420 | 42歳 |
| 2013 | 街築・水道 | 30 | 420 | 2級土木 |
| 2014 | 水道 | 31 | 434 | 1級土木 |
| 2015 | 水道 | 32 | 448 | 給水装置 |
| 2016 | 水道補助 | 50 | 700 | 2社目に転職 |
| ・・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | |
| 2025 | 道路 | 57 | 798 | 55歳 |
不定期の手当などを含めると現在は800万円(当初の2倍)を超えています。
中小で10数億くらいの売上規模、一級の資格を持ち、1億規模の現場を一人で管理する監督の現在の年収です。
大手企業であれば年収1,000万円は余裕と想定します。
ここからキツイ部分の話しになりますが…
- 天候(暑さ、寒さ、雨)
- 夜の工事(特に都市部は夜間が多い)
- 現場管理もそうですが、書類作成、写真管理など書類全般が煩雑すぎる
- 様々なプレッシャーやストレス
- どこにでもあるが人間関係(自己中オラオラが多い)
などなど
この記事は今行っている転職活動の経過、自分のいる会社、役所、業界について、感じることなどを書いていきます。
ホワイトカラーの職がAIに奪われてきているのでは?と危機感を覚えたアメリカの若者たちは、我々建設業のようなブルーカラーへの就職にシフトしてきている事が最近では話題になっています。
建築であれ、土木であれ、AIによる施工や管理はかなり難しく、技能・技術的なものや、一本ものと言われる現場は様々な状況が多く、人によらざるを得ないものがほとんどです。
私がいる中小企業と言われる会社をはじめ、給与的に日本人平均を大きく上回る会社が数多く存在しており、住宅やビル、インフラなど人々の生活になくてはならないもの作っている重要な業種でもあります。
現在、監督さんを頑張っている人やこの業界への就職を考えている人のお役に立てばいいなと思います。
人には限界があることを知り、転職を考える
東京都の公共工事を10現場以上担当してきました。
東京都の公共工事には
- 建設局(道路・河川・公園整備)
- 下水道局(下水道整備)
- 水道局(上水道整備)
- 都市整備局(都市基盤・都市区画整備)
- 港湾局(東京港・臨海副都心整備)
- その他
とありますが、水道局以外であれば1億~3億くらいは個人的には一人でもなんとななるかなと思います。
前社で1億数千万程度の水道工事を3現場竣工させました。エリア的には東京都下のわりと、のどかなエリアではありましたが、とはいえ水道工事は業務が煩雑である事から2人体制は必須なイメージがあります。
とはいえ中小企業では下につく監督は経験が浅い人が多い印象です。
現在の会社の工事経歴(全て現場代理人)。
| 工事内容 | 契約金額(万円) | 役所種別 |
| 駐輪場整備 | 2,000 | 区役所 |
| 下水道 | 3,000 | 下水道局(推進) |
| 道路 | 1億5,000 | 建設局 |
| 道路 | 2億5,000 | 建設局 |
| 道路 | 1億5,000 | 建設局 |
| 下水道 | 1億9,000 | 都市整備局(推進) |
| 下水道 | 1億1,000 | 下水道局(開削) |
| 水道 | 3億5,000 | 水道局 |
| 道路 | 2億2,000 | 建設局 |
転職したいと思ったきっかけは水道工事
3億5,000万円の水道工事は個人的にはとんでもないものでした。
まず、大手や準大手などは3~5人くらいの体制、分業で管理していくものと思われますが、これをほぼほぼ一人で管理していくのはトンデモナイ事です。
エリア(飛び地)が5エリアあり、警察、消防、ゴミのエリアが3エリアにまたがるもので、段取り調整が非常に厳しいですね。5エリアまわるだけで1時間かかります。
通常は水道工事完了→舗装工事竣工となる流れですが、飛び地が5つある関係上、水道→舗装→水道→舗装→水道→舗装といった感じで、段取り替えが煩雑で、この部分も非常に消耗した部分でした。
このように特殊な現場である事や、請負金額規模の大きさが「これはダメだ」と考えさせることにつながりました。
現会社の問題点(中小にありがち?)
・ロクな補助監督がつかない(職人や作業員兼任、新人監督などレベルが低い、監督して使えない)
・大手などが3人体制以上であることを考えれば管理人件費経費がかなり浮いているのに何もない
・現況の大変さが分かっているのに幹部などのフォロー(声掛けすらも)無い
・現場が終わっても労いがほぼ無い
・慰労もないが問題を起こした監督に罰則もない
・今回の水道のような事を繰り返す可能性が高い(もう勘弁して欲しい←ココ)
このような部分はわかりつつも、給与が良かったので頑張ってきましたが、逆に一人で頑張ってきたおかげて、高給で雇ってくれる会社がある事もわかってきました。
このような事から転職を強く意識するようになってきました。
監督業の何が嫌か?
監督業の何が嫌かというか、一人で億単位の現場を管理していく事が「しんどく」なってきた事が大きな要因です。
たしかに早上がりができたり、やる事をやっていればサボる事も可能です。
他に良い点もたくさんあります。しかし年齢的なものも大きいと思いますが、一人で現場を管理していく事がしんどい!
最近は新しい道路使用の規制帯図をCADを使って作成していますが、50枚以上もわけのわからない道路の規制帯図を作っていくのが非常にシンドイな思いました。
(トラウマ級の3億5,000万円の検査翌週に2億の現場とりやがって…ダークサイドの声)
前社の話しに戻りますが、前社の良かったところは大変な現場の協力体制ができていた事です。
しかし、それはそれでうっとおしいというか、緊急事態であればお願いしたいですが、強力してくれる人に教えてやってもらうのも、なかなか大変な事です。また、そういう場合は自身も非常に忙しいので、突っ込まれたり、いろいろ聞かれるのも煩わしい…。
わがままかもしれませんが、一人でやった方が早いし、ストレスもたまらないないのも事実です。
年齢が54と微妙なので、転職で今と同じ年収がもらえそうなのはわかりましたが、実際大変な事だと思います。
転職先ではいろいろと気を遣いパワーを使います。これもしんどそうですが、転職した未来と現在の会社の状況を天秤にかけてどうしようかこの半年くらい迷っています。
そこで視野に入ってきたのが「派遣監督」です。
そこで「派遣監督」を検討してみる
同じ年収が取れるのであれば、「責任」「プレッシャー」「ストレス」が格段に低くなる派遣が良いのではないかと感じました。
しかし、そうは考えますが、大きなわがままポイントではありますが「社用車」が無くなるのは結構でかい事に最近気付きました。
・通勤で使っている(夜勤で電車の無い時間は助かる)※現場事務所がほぼない
・私用で使っている
・ガソリン代、自宅の駐車代は支払ってもらえる
転職した場合の移動手段は電車以外にバイク(購入)なども検討していますが、いろいろ想像すると個人的には車がないのが結構大きいなと…
とはいえ水道工事のトラウマが大きく、しばらく水道はとらないと幹部が言っていたが、実は入札をしていた事が判明し、その情報を見た時に心的ストレスが急上昇したことを感じました。
しかも、私以前に水道工事を担当していた監督がストレスで外れているにも関わらず、またその人になるような入札でした。
これは私にも無関係では無く、竣工のタイミングではまた私になる可能性があります。
この件を受けて、2026年に現在の現場が竣工したら転職する意思がふたたび90%に急上昇しています。
たしかに中小企業で監督が10名にも満たないような小企業では、現場は選べないのは致し方ないとは考えます。
少子高齢化のご時世ですから、通常の定年をオーバーしての就業も可能な点もある意味魅力ではありますが…消耗するのはもういいかなと思います。
comingsoon…



