どぼログについて
この「どぼログ」というカテゴリーは「土木のログ(記録)」の略で、私の土木経験値から「土木の技術的なもの」を中心とした記事を目的としています。
記事の内容が監督さんのに役立てばいいなと思いした。
私は東京都の公共工事を中心に施工管理をしていますので、局など役所の情報もお伝えできればと思います。
ちなみに先日の下水道局工事は東京都の公共工事としては初めての「指摘なし」を獲得する事ができました!
よろしくお願い致します。
水場の下水道の新設
監督歴12年とはいえ、まだまだヒヨッコであると思っています。
よって経験不足からくる話です。
現場が水場だったので、水密性を高めるため、土留めを「親杭横矢板工法」から「鋼矢板圧入工法」に変更する話を進めていました。
親杭横矢板工法
・親杭としてのH鋼を堀山の両側に等間隔に打ち込む
・掘りながらH鋼とH鋼の間に木矢板をはめていく
しかしながら、水密性はありませんので、水場には不向きです。
鋼矢板圧入工法
・写真のように鋼矢板と鋼矢板がガッチリとかみあい漏水を防ぐ
・サイレントパイラーで鋼矢板Ⅲ型(幅0.4m|長さ7~8m)を打ち込んでいく(圧入)
※バイブロハンマでの圧入もありますが、住宅街では写真のようにサイレントパイラーが静かでクレームがない。
壁際などサイレントパイラーが入らないような場所はバイブロハンマーを使います。
土留めを変更する時に、基礎も水に強い「はしご胴木基礎」に変更すればよかったのですが…そこまで頭が回らず…設計のまま「まくら土台基礎」としてしまいました。
はしご胴木は水場用の基礎なので沈下しにくいですが、まくら土台は基礎木材が下にあるとはいえ、極端に言えば管が土の上に乗っているだけなので、水場の影響を受ける場合があります。
基礎木材が水場の影響を受けないように、まくら土台の横木材の下に杭を3本打って下がらないように工夫をしていました。
しかし、水場の管布設は難しく、管の継目に多少のスキマができる部分がありました。
(水流を確保する為、半分より下側のスキマにはモルタルを詰めて対応していました。)
【 ヒューム管の挿し口にゴムリングを取付けた状態 】
ヒューム管ゴムリングは後で取付けるものですが、水道管や塩ビ管のように100%の止水性があるわけではないので、水や土中の成分が染み出してきます。今回はそれらが集まって管路内にちょっとした水の流れができていました。
その部分が心配でしたが、検査や引継ぎ時に指摘をうけることはありませんでした。
都内のエリアによっては湾岸地域などの埋立地、川や池が近いなどの相当ひどい水場は、結構漏水していても指摘無しの場合があります。
しかし、検査官次第でもあり、なるべく気を付けていきたいと思います。
本日の3ベシッ!(結論)
〇 水場の施工は難しいので施工方法を良く吟味するベシッ!
〇 水場でヒューム管を施工する場合、多少の漏水は覚悟するベシッ!
〇 ただし泥や砂が流れてきているのはアウトと知るベシッ!(管と管の継ぎ目が抜けてるので💧)