年収700万円とは日本の中でどれくらいの割合だと思いますか?
令和2年の国税庁の調査によると4.4%との事でした。また、年収800万円以上の割合は9.2%なので、上位13.6%になります。
土木系の現場監督で、大手ではなくても4.4%になれる可能性があります。
土木業界は人手不足の日本の中で更に厳しい状況です。これが何を意味するかはおわかりでしょう。
40歳まで最高年収が460万円だった私。
それまでバイトも含め18の職種にたずさわってきました。
(私が経験した18の仕事-1980年代、1990年代、2000年代)
38歳で結婚をして、ちょうど子供も生まれたばかり。
それまでは好きなように仕事をしてきたので、給料安いなとは思いつつ…実際年収はあまり気にしていませんでした。
当時は漫画喫茶の店長をしていたのですが、将来的にこれ以上、役職も年収も見込めないなぁとは思っていました。
仕事をしていた妻も子育てに入るため、収入が激減したのを機に、初めて年収アップを目指しての転職を決意しました。
まずは現場監督前の不動産業界への転職の話しをさせてください。
(現場監督から読みたい方は目次から飛んでください。)
宅地建物取引士(宅建士)を取得し不動産業界へ
年も年なので、資格なしとかで異業種転職は無理かなと思いました。
「転職に有利な資格」と検索すると上位に出てくる【宅建士】。
安易に不動産業界は稼げるかなと思い【ユーキャン】に宅建士の資格講座を申込み、日々勉強していました。
・講座費用は60,000円くらい
・半年くらい 平日 1時間、休み 3時間の勉強
・合格率 過去10年 15~18%(令和5年度 17%)
おかげ様で、めでたく一発合格しました。ユーキャンのおかげす。
さっそく漫画喫茶を辞めて就職活動へ。しかし40歳の応募はことごとく書類選考落ち。
転職の限界と言われる「35歳」の壁はかなり高い。ましてや異業種からともなれば、なおさらです。
素人同然のおっさんが国家資格とはいえ「宅建士」を取得したくらいでは、どこも雇ってくれませんでした。
応募をしまくり、やっと引っかかったのが「不動産売買」の会社でした。
不動産売買専門の会社の内容
売らないと給料にならないので、はっきりと「宅建士」はあまり関係無いと言われました。
最初の3か月は研修として25万円の給料で働き、そこから更に研修を3か月延長するか、完全歩合制とするか選ぶシステムでした。
幸いにして最初の3か月で以下の物件を売買することができました。
・中古一戸建て 3,500万円
・新築一戸建て 5,500万円
・土地 3,800万円
※販売手数料は会社1/3、自分2/3。新築一戸建て3000万円を販売すると60万くらいが自分になります。
3か月目の、研修延長か完全歩合か選ぶ段階で、完全歩合を選べば販売した手数料の歩合「60万円」が入るというので、迷わずそちらにしました。
60万円なんて給料はもらった事がなく、「おぉ!」と思いました。
しかし、そこからがいいところまでは行くが…泣かず飛ばずで、貯金もだいぶ取り崩し、キビしい状況となってきたので、都合半年ほどで退職することにしました。
稼げなければ食えない不動産売買でしたが、実際は宝探しみたいで、なかなか楽しい仕事でした。
土木監督へ転職
そこから新たな職探しです。
飲食サービスに戻るにもなかなかキツいので、過去に経験のある建設系の職種をリサーチしました。
応募したのが2件。
・土木系現場監督見習い 月31万(地元)
・一戸建て断熱材吹付職人 月45万(けっこう有名な外資系)
給料的には職人でしたが、1次、2次とあり、1次選考合格の時点で現場監督見習いが合格してしまい、明日から来てくれとの事で、そちらに入ることにしました。
今考えれば、地元の小企業の土木屋さんは恒常的に人手不足なので、まともそうな人であれば、経験が無くても誰でもウェルカム!的なところは大いにありますね。
監督見習い
監督見習いとして、まずは水道工事の現場の監督さんの下につきました。
水道工事といっても東京都発注の公共工事で1億数千万程度の現場です。
朝7時30分に会社に出勤し、それから二人で社用車に乗り、現場事務所へと向かいます。
以前に勤めていた建築系とは違い、土木はまるで勝手が違います。
・事務所で作業内容の説明
・現場で朝礼(あれば)
・9:00~ 公道での工事なので規制帯を作ります
・現場管理(指示・写真など)
・18:00 現場終了(実際は17:00とかもっと早い)
・お知らせビラ配布(工事個所付近の週一配布)
・事務所で書類作業
・現場によっては夜勤もあります(21:00~6:00)
今思えば水道工事は一番煩雑でした。日々20時から22時くらいまで事務所で書類残業をしていました。
土曜日も普通に仕事で、他の現場の手伝いなどをしていました。
当時はそれが普通と思っていましたが、今となってはとんでもない話です。
資格の取得が非常に大切
土木系の建設会社なので、一級土木を持っていないと仕事ができない案件(現場)が多数あります。
なので資格者不足の会社は喉から手が出るほど資格持ちが欲しい状況と推察します。
また、「経審」といって、現場の入札時の企業点に資格が加算されるので、そいういった意味でも重要です。
たいがいの土木会社は資格を取らせてくれます。
2級土木は比較的簡単なので、自力取得となりましたが、一級はお金をかけて通信教育なり学校なりに行かないと、仕事をしながらの取得は少々難しいと思います。
私は入社二年目から「二級土木(自力・本)」→「一級(学校)」→「給水装置(通信講座のSAT)」で連続で取得しました。
おかげで一級土木の取得が、その後の転職に非常に優位に働きました。
一級土木は日建学園に半強制的に通いながらの勉強でした。日建学園の講座はというと・・・
・約半年くらい通学(3月くらいから学校に通い、10月に2次試験)
・週一で仕事終了後に学校でビデオ講義 → 確認の試験
・事前に次の講義の勉強をして提出(テキスト)
・時期によっては週2~3回の集中講義がある
・一級土木の試験は一次(学科)と二次(実地)があり、合格率は30%前後
・授業料は40~50万(会社負担、国の助成あり)
当時は半分くらいの補助があったように思いしたが、現在は3割程度になっています。会社と相談ですね。
しかし、会社から数十万出してもらっている、とういうのが程よいプレッシャーになっていたので、良い結果につながったと思います。
その後の給水装置については、試験でありがちな全体の6割正解ではなく、各科目でそれぞれ基準点があるので、結構難しいと聞かされていました。
会社からは学習の補助も無かったので、安価で評判の良い建設系専門の通信講座である「SAT」で勉強を始めました。
受講料も4万円程度でしたので、それ程高くはありませんでした。
水道工事が盛んだったので、給水装置は需要があると考えていました。また、給水装置資格者がいないと水道工事の仕事が取れない事も大きかったです。
仕事が終わってからの勉強も大変でしたが、一発で合格することができました。