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【水道】配水小管布設替工事の施工段取り

ドボログ(土木技術)

 

東京都にある多くの土木系中小総合建設業は水道工事を施工されている事と思います。

安定した利益を得やすい反面、下水・道路・街築などと違った特殊な施工が求められます。

今回は現場監督として水道工事の施工段取りを説明していきたいと思います。

 

ちなみに配水小管と配水本管の違いについてですが、東京都では

配水小管 → 350㎜以下

配水本管 → 400㎜以上

と定義しています。

東京都以外では350㎜以上を本管としているところもあるようで地域による違いがあります。

また、東京都では耐震型の鋳鉄管(GX形)を使用していますが、地方では財源に限度がある為、重要路線以外はポリエチレン(ポリ)を使用している事が多いように見受けられます。

鋳鉄管の接合は単純に管を管に差し込む、または固定リングによるボルト接合、ポリは加熱溶融するという違いがあります。

東京都では東京ガスがポリエチレン管をメインで使用しており、加熱溶融しています。

 

図面をじっくり確認し現調・マーキングを行う

役所から図面データを受領したら、じっくりと図面を見る事が大切になります。

管路の口径、給水数を確認して、施工順序などを想像していきます。

また、水道局工事に限った事ではありませんが、特記仕様書をしっかりと確認し、特殊な項目がないか良く見ます。

ある程度の把握が出来たら現地調査を行います。

管の口径や人員などを考えて施工イメージを固めていきます。

管路のマーキング

図面のオフセットを元に管路のマーキングをしていきます。

また、給水や仮配管のマーキングも行っていきます。

事前に試験掘り箇所の位置を決めておき、試掘箇所のマーキングも行います。

水道局の試験掘り位置については「制水弁」「連絡箇所」くらいの個所数となっていますが、T字部や変則的に配管をしていると思われる部分の試掘も行います。

制水弁が新設であっても周辺に問題が無さそうであれば試掘は省く事が多いでしょう。

 

施工前写真と同時に施工箇所前の住居の壁面などの損傷が無いか写真を撮っていきます。

意外に言いがかり的な補償を求めてくる住人がいるので、しっかりと確認撮影をしましょう。

 

連絡箇所からの施工

試掘→仮配管の順に施工を行っていきます。

試掘で問題があれば役所と相談をし対応をします。

ここで大切となってくるのが、他企業協議を済ませている事です。

特にガスなどのライフラインは隣接している事が多いので、他企業協議による図面を確認し、損傷しないように施工をしていきます。

基本的には連絡箇所(既設と新設の接合部)からの配管となりますが、連絡する場合に管路の水が止まっている必要があります。

連絡箇所付近に水を止める制水弁が無い場合が往々にしてあります。その場合は連絡箇所から制水弁のある位置までのエリアを断水する事になります。

とはいえ飲食店や美容室などが周辺にあり、周辺の断水が出来ない場合が結構あるので、水を止めずに施工ができるバルーン施工や不断水施工を行う事も視野に入れます。

このような事も事前の調査が大切になってきます。

 

<私の著作です。 特殊施工についても記載しています。ご参照下さい。>

 

断水対応と充水対応

連絡工時の断水と、配管終了時の充水については役所が行います。

・断水時はにごり水(古い制水弁のサビや管の中の付着物の剥離)

・連絡時は泥によるにごりや、空気による白濁

がある為、管路内の消火栓や付近の消火栓、制水弁止めであれば制水弁に排水器を付けての排水(ドロ吐き)を行います。

古い制水弁を操作した時に軸(キャップ)が折れる事が良くあるので、その場合は水道局対応もありますが、受注者側の対応も発生する事があります。

 

給水工の注意点

給水工については2回行います。

・仮配管時の仮給水

・配管終了後の本給水

 

仮給水時に各戸の断水が発生するのですが、この時にマンションにある増圧ポンプの操作を行う必要があります。

増圧ポンプの操作(停止、閉弁)を行わないと故障する恐れがあります(結構高価です)。

大家さんや管理会社に確認しましょう。たいていはこちらで対応する事が多いです。

 

また、給水管接続後の排水(ドロ吐き)も重要なので

・各戸のバルブの種類と位置

・外水道の有無

・外水道が無ければ宅内でのドロ吐きをお願いする

・外水道無し、留守であればメモを投函する、もしくはAバルブを外してメータ吐きをするなどの対応

よくあるのが特にトイレの給水にストレーナーというフィルターがあり、細かいカスなどが詰まり水が出なくなる事があります。

流しの水道にもストレーナーが付いている事があり、流し直下にバルブがあれば閉めたり開いたりしていれば解消される場合があります。

 

附帯工から本復旧工

配管と給水が完了したらいよいよ仕上げとなります。

・附帯工 → 街きょなどの街築の復旧

・本復旧工 → 舗装工(舗装工については以下をご参照ください)

 

 

その他

以下のチェックや段取りも施工計画を元に忘れずに行いましょう。

・写真撮影箇所の数が満足しているか

・品質管理が満足しているか(各種試験、温度管理など)

・区や都への施工後に報告する写真、資料など

その他にも、材料関係や産廃などの各種数量のチェックがあります。

 

おわりに

駆け足で説明をして来ましたが、ざっくりこんな感じです。

水道は写真が多く、配管になるとせわしないので、うっかりといろいろ忘れる事が多いですね。

やる事が多いので、メモをしっかりととりましょう。

 

施工箇所地域のビラ配布(週間予定、断水、車両の出入りなど)が多いので、対応が大変です。

ガス管をやっつけるなども1現場に1回くらいは想定の範囲内で、住民のクレーム(言いがかり)も1件はある印象です。

水道は利益率が高い工種になるので、しっかり段取りができて事故が無ければ儲かります。

 

皆様の一助になれば幸いです。

では「ご安全に」!

 

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