コンクリートの種類と記号についてはJIS表記が一般的ですが、東京都の場合は建設局が旧表記を使用している場合があり、混乱するときがあります。
全国的に見ればJIS表記だとは思いますが、確認の意味も含めて記事にしました。
レディ―ミクストコンクリートとは
レディ―ミクストコンクリートとは、セメント、水、骨材(砂利や砂など)、混和剤を練り混ぜた段階の、打設前の「生コンクリート(生コン)」です。
材料承諾で提出する生コンの配合報告書には「レディ―ミクストコンクリート」と書いてありますね。
まずは新旧対比表・養生期間・時間管理
東京都などの都市土木でよく使われる、街築基礎などの無筋コンクリートを代表例としています。
種別 | JIS | 旧表記 | 養生期間 | |||
15°以上 | 10°以上 | 5°以上 | ||||
無筋 コンクリート | 普通 | 18-8-20N | N182B | 5日 | 7日 | 9日 |
早強 | 18-8-20H | H182B | 3日 | 4日 | 5日 | |
高炉セメント (環境型) | 18-8-20BB | BB182B | 7日 | 9日 | 12日 |
※N182BのNは付けていない場合があります。
次は「練り混ぜから打ち込み終了までの時間」です。品質管理で時間があるので、覚えておきましょう。
外気温 | 時間 |
25°以下 | 120分以内 |
25°超 | 90分以内 |
伝票の出荷時間から、現場での打設終了時間になります。
JISの「数字」と「記号」の意味
18-8-20N で見ていきましょう。
18 | 8 | 20 | N |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
呼び強度 | スランプ値 | 粗骨材の 最大寸法 | セメント の種類 |
呼び強度
コンクリートの強度(圧縮強度)になります。
18ー8ー20Nであれば、コンクリートの圧縮強度は18N/㎜2になります。
圧縮強度試験については立ち合い写真が必要な時があります。
道路照明などの基礎コンクリートに圧縮強度21や24を使用したりする場合があります。
水セメント比で強度を上げるのに圧縮強度を上げる場合があります。
スランプ値
18ー8ー20Nであれば、スランプ値は8㎝になります。
粗骨材の最大寸法
18ー8ー20Nであれば、粗骨材の最大寸法が20㎜となります。
コンクリートは「セメント+水+細骨材+粗骨材」を配合したものになります。
打設厚 | 粗骨材 |
小さい | 20、25㎜ |
大きい | 40㎜以上 |
セメントの種類
18ー8ー20Nであれば、普通ポルトランドセメントを使用しています。
セメント記号 | セメントの種類 |
N | 普通ポルトランドセメント |
H | 早強ポルトランドセメント |
BB | 高炉セメントB種 |
記号のついたセメントの種類は20種類以上あります。
上記は東京都の公共工事でよく使われるものを選定しています。
旧表記の記号の見方
N182Bの場合です。
N | 18 | 2 | B |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
使用セメント 及び骨材の種類 | JISの呼び強度 | 粗骨材の最大寸法 | スランプ値 |
使用セメント記号はJISと同じで「普通ポルトランドセメント」になります。
この場合の骨材は普通骨材になります。
強度の数字もJISと同じです。
粗骨材の最大寸法
1 | 15㎜(軽量骨材) |
2 | 20㎜ |
3 | 25㎜ |
スランプ値
A | 5㎝ | D | 15㎝ | |
B | 8㎝ | E | 18㎝ | |
B’ | 10㎝ | F | 21㎝ | |
C | 12㎝ | - | - |
昔、高炉セメントの「BB」と、スランプの「B」が何か関係あるのかなと思っていました。
まぎらわしいので違う記号を使って欲しいですね。
各種試験
その他、たいていの役所で少量のときは省略できる場合があると思いますが、その場合は「JISマーク認定工場の品質証明書」 「配合報告書」を提出します。
現場の試験では以下の項目を行います。供試体を持ち帰り28日後に強度試験を行います(YouTube強度試験参照)。
スランプ試験 |
空気量試験 |
塩化物量試験 |
圧縮強度試験(供試体採取) |
コンクリート温度 |
これらが基本の試験内容になりますが、大規模な場合、特殊なコンクリートなどは他の試験も追加になります。
まとめ
東京都など都市部の道路工事では、それ程コンクリートは使わないので、よく忘れます。
自分でもサッと調べられるように今回の記事を書きました。
大規模工事であるダム、トンネル、河川、港湾などは、また違った高強度のコンクリートなどを使うと思いますが・・・そのような内容を知りたくて来た方は、ごめんなさい!!
お役に立てば幸いです。